十六夜

(注。何だか遥かなる時空の中で3:有川譲×春日望美のSSに中途半端になっていたり)
綺麗ですね、月
−うん、綺麗。空気も澄んでるし雲も無くてよく見えるね
前もこんなことありましたよね
−え?
いや、前にも先輩とこんな風に月を見たことがあったな、と思って
−あぁ、菫おばあさんと将臣くんも一緒にいたよねあの時は
・・・先輩は変わらないなと思って
−変わったところもちゃんとあるでしょ
え?
−だって今は剣を握って怨霊倒したりしちゃってるんだよ
そういう所は変わりましたけど変わってないところもありますよ
−うーん、譲くんは変わったよね
そうですか?
−だって小さい頃は将臣君の後ろにくっついて泣いてばっかりだったでしょ
・・・それ何年前の話ですか。それを言うなら先輩だってお転婆だったじゃないですか
−うー酷いなぁ、譲くん
先輩でしょ、話を振ってきたのは
−けど嬉しいな、また譲くんと月が見られて
え?
−また、見ようね
・・・それが先輩の望みなら、俺は構いませんけど
−譲くんいっつもそうなんだから。少しは自分の意見を言っても良いと思うんだけど


貴方と一緒にいられるなら、貴方の隣にいることが許されるなら俺はいつまでも貴方と月を眺めていたい
いつ変わるか分からない俺の幼馴染というポディションを変えたいの願うのは俺だけなんですか
ずっと一緒にいられるのならそれが俺の幸せだから